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「訴訟亡国」アメリカを読んで

今日は英語サークルに参加して、即興スピーチをやってきた。

2分で決められたテーマについて喋る内容を考えて、その後2分でスピーチを行う
(ホントは3分で考えて3分喋るんだけど、今回は参加者が多かったので2分になった)。

お題は「カルチャーショックについて」で、最近読んだ「訴訟亡国」アメリカという本の内容を使うことにする。

この本、つい先日、図書館で本を物色しているときに、ふとタイトルが気になって手にとってみたものだが、これがなかなか面白くて。

『ロサンゼルスのある中堅金融企業に勤める45歳の男性社員も、訴訟とは無縁に過ごしてきた一人だった。その朝、黒人女性秘書がコーヒーの好みを聞きにくるまでは。
彼女は「ブラック、それとも(クリームを入れた)ホワイトにしますか」と聞いた。
彼は「わたしはブラックもホワイトも好きなんだ」と答えた。そのとき、「彼は意味ありげな、
いやらしい目付きをして答えた」と彼女は受け止めた』

この黒人秘書はセクハラおよび人種差別として会社を訴え(この男性は管理職であったので、企業責任が問われる)、十万ドル単位の和解金を手に入れたという。

このような和解が成立する背景として、
アメリカの連邦最高裁が、93年11月の判決で「性的な強要や嘲りで、被害者が職場環境を虐待的だと感じれば侵害が成立する」、すなわち、原告がただセクハラされたと感じれば、セクハラが成立するんだ、という判断を示している、という経緯がある。

なんかな~。「いきすぎじゃないの」って思うのだが…。確かにこの女性は心に傷を負ったかもしれないし、そのような心的外傷を負ったことに対する償いを求めるのは正当な行為だと思うが、それにしても、日本円にして1000万円単位の金額を請求するのは、逆にこの男性に対して一生ぬぐえない傷を負わせてしまっている気がする。この男性だって、下心があってこのようなセリフを口にしたと決まったわけではないだろうし。

ほかにも、アメリカには球児たちの甲子園ならぬ、弁護士を目指す高校生のための「全米模擬裁判選手権大会(ナショナル・モック・トライアル・チャンピオンシップ)」があるとか、小学校から模擬裁判の授業があるとか、ビル・ゲイツがウィンドウズの開発で億万長者になったのは、「アイディアではなく、そのアイディア特許権をもとに攻撃的に権利を拡大する法律知識」があったことが原因であり、その起源として弁護士の父親の影響を受けていたと思われること、などなど、興味深い内容が盛りだくさんである。

さてさて、即興スピーチの話に戻ろう。自分のスピーチの番が来たので、92年のニューメキシコで起こったマクドナルドコーヒー訴訟のケースについて話そうとして、参加者に「知ってる?」って聞いたところ、ほぼ全員が首をタテに振った。みんな知ってるらしい。
えっ、これってそんなに有名なんだ。せっかく話そうと思ったのに、まいったなぁ。

知らない方のために一応説明すると、70過ぎのおばあさんが、マックのホットコーヒーを購入して、カップを太ももの間にはさんで、車の中でフタを開けようとしたところ、カップが倒れて太ももを焼けどした事件で、「マックが無神経にも熱いコーヒーを出したのが原因だ」とマックを訴え、総額64万ドル(6400万円超)をせしめた事件である。

ほとんどみんなが話を知っているという展開に思いっきり気勢をそがれたので、マックのコーヒーで焼けどをして訴えるケースは全米で700件以上もあったこと、アメリカの弁護士の大半は、社会悪を裁くのでなく、ディープ・ポケット(金持ち)からお金をたくさんせしめることを目的としているということを話す。

そして、最後の締めに「 現在のアメリカでは、訴訟で大金を得ることがアメリカンドリームとなっているようだ」と言ったところ、大受けだった。このセリフ、結構使えるのね。人と話してて、ネタに困ったら使ってみよーっと、ってどんだけネタに困ってるときなんだよ!

…すみません、多分疲れてるんだと思うので、今日はゆっくりやすむことにします。では、みなさまよい週末を。
by ishikawasss206 | 2005-12-11 01:23


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